【タバコニュース】(10-02-04)女性のタバコ ― 女性は狙われている!
世界保健機関
http://www.nosmoke55.jp/wntd2010.html
■ 2010年の世界禁煙デーのアナウンスメントがWHOホームページに発表されました。テーマはジェンダーの違いを考慮したタバコ対策を進めようというものですが、趣旨を考えて意訳しました。(日本禁煙学会理事 松崎道幸)
2010年世界禁煙デー
女性へのタバコの売込みをやめさせよう
Gender and tobacco with an emphasis on marketing to women
http://www.who.int/tobacco/wntd/2010/announcement/en/index.html
2009年12月19日に世界保健機関(WHO)は、2010年5月31日の世界禁煙デーのテーマを「Gender and tobacco with an emphasis on marketing to women女性へのタバコの売込みをやめさせよう」と決めました。
女性へのタバコの流行を阻止することは、包括的タバコ対策戦略の重点のひとつです。2010年の世界禁煙デーは、女性へのタバコの売り込みがもたらす悪影響に特別の警鐘を鳴らすために取り組まれます。さらにWHOタバコ規制枠組み条約の170を越える締約国に、あらゆるタバコの宣伝を禁止する必要のあることを周知させる取り組みも行います。
全世界の10億人を越える喫煙者の2割は女性です。しかし、現状のままでは、この数字は増えることを避けられません。男性の喫煙率はピークを過ぎて減り始めていますが、女性は増える途上にあります。現在の喫煙者の半数がタバコ関連疾患で早死にするため、その主要な埋め合わせ源としてタバコ産業は女性に狙いをつけているからです。
とりわけ憂慮されるのは未成年女性のタバコ使用が増えていることです。最近のWHO報告書「女性の健康:現状と対策」は、未成年の女性に的を絞ったタバコの広告宣伝が増えていると指摘しています。151カ国における調査をまとめると、思春期男子の喫煙率が12%だったのに対し、女子の喫煙率は7%でした。男子と女子の喫煙率が同じ国もあります。
2010年世界禁煙デーは女性におけるタバコの流行を阻止する重要性を十二分に認識させる上で役立つでしょう。WHOマーガレット・チャン事務総長は、前述の報告書で「女性の健康増進を図ることは、現在生きている人々だけでなく将来の世代の健康と発達を保証する上で決定的に重要である」と述べています。
2005年に発効したWHOタバコ規制枠組み条約は、「喫煙をはじめとしたタバコ使用が女性全体に広がっている」と警鐘を鳴らしています。
2010年世界禁煙デーのキャンペーンは、女性へのタバコの売り込み問題を重点的に取り上げますが、こどもから成人までの男性をタバコ産業の売り込み戦略から守ることもあわせて取り組みます。2007年のWHO報告書「ジェンダーとタバコ規制:対策の現状」には「一般的なタバコ規制対策が男性にも女性にも同じように効果があるとは限らない。…性差を踏まえた対応も必要である。…したがって、タバコ使用を減らし世界中の男性と女性の健康を改善する上で、タバコに対する性に特有な捉え方、違い、反応を認識し考慮したタバコ規制対策を立案し実行することが重要である。」と述べられています。
2007年に出されたもうひとつの報告書「証拠を精査し見直そう:ジェンダーとタバコ規制」でWHOは、「男性と女性の双方に、性によるタバコの害の現れ方の違いを周知させ、多国籍タバコ企業が男性向けと女性向けに分けたタバコ製品を作りそれに応じた広告宣伝を行っていることに取り込まれないように注意を喚起し、性の違いを考慮した受動喫煙の害とタバコやニコチンによる労働災害に関する情報と対策が十分に受けられるようにする必要がある」と述べています。
WHOタバコ規制枠組み条約は、「タバコ規制対策を立案し実行するすべての段階への女性の全面的な参加」と「性別を考慮したタバコ規制戦略の必要性」があることを認識しています。
2010年の世界禁煙デーとその後1年間、WHOは各国政府に女性の全生涯をニコチン依存に引き込もうと画策するタバコ産業の活動に特別の注意を払うよう呼びかけます。このWHOの呼びかけに応えることを通じて、各国政府は、女性に広がりつつある、命と健康を轟然と奪い去る心臓病、脳卒中、癌、呼吸器疾患の重苦を減らすことができます。
現状のままでは、今世紀中に10億人がタバコによって命を奪われます。もし女性のタバコ使用を減らす重要性を認識しそれに基づいて行動するなら、多くの命が救われるでしょう。

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